レーシック>イントラレーシック手術
イントラレーシック手術は、最近になって広がりをみせている、視力矯正手術の1つです。
基本的に、従来のレーシックと手術の手順はほとんど変わりませんが、イントラレーシック手術では、 最新の技術が導入され、精度の高い治療を受けることができます♪
イントラレーシック 手術の流れ
イントラレーシック手術は、従来のレーシックとほぼ同じような流れですが、フラップの作り方が違います。 手術にかかる時間は、片目で10分程度、両目で20分程度で、長くても25分程度です。
1)手術の初めに、眼を洗浄してきれいにします。
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2)角膜の表面(角膜上皮層)は、痛みを感じるので点眼液で局所麻酔します。
この麻酔で、手術中の痛みはありません。
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3)「イントラレーザー」と呼ばれる機器で、「フラップ」を作ります。
イントラレーザーのレーザー光を使って、角膜に直接触れることなく、 均一で断面が滑らかなフラップができます。
ここが、従来のレーシックと違う点で、イントラレーシックの特徴になっています。ここで作ったフラップは、
後で元の場所に戻すため、角膜から切り離さずに、その一部を角膜につなげたままにしておきます。
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4)まばたきしないように、開眼器でまぶたをしっかり固定します。
(これ以降は、従来のレーシックと同じです。)
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5)イントラレーザーで作ったフラップをめくります。このとき、角膜につなげた部分をヒンジとして利用します。
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6)フラップをめくった角膜の部分(角膜実質層)に、「エキシマレーザー」を約20秒間照射します。
このエキシマレーザーは、コンピューターで制御されているため、たとえ眼球が動いても、 その動きに合わせるようになっています。この照射によって、角膜の形を矯正して視力が向上します。
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7)フラップを、元の場所に戻してから、眼内を洗浄すると、イントラレーシックの手術は完了です。元に戻したフラップはそのままの状態で、自然に角膜に固定されるのを待ちます。
イントラレーザーとは
従来のレーシック手術では、フラップを作るときに「マイクロケラトーム」が使われますが、 イントラレーシック手術では、「イントラレーザー」が使われます。
このイントラレーザーは、米国のINTRALASE(イントラレース)社が開発した、 イントラレースFS(FS2)レーザーのことをいいます。
2006年の時点で、この会社の機器のみが米国食品医薬品局(FDA)から、承認されています。
そのしくみは、角膜に特殊な平面レンズを固定して、それにイントラレーザーを照射すると、 角膜の表面から一定の深さの所に、小さな隙間ができます。 これが一様に角膜に広がってフラップができます。
イントラレーザーで作ったフラップには、次のような利点があります。
:イントラレーシックはレーシックと比べ、2/3ぐらいの厚み(0.1ミリ)が可能
・・・強度の近視や、角膜が薄い方でも手術ができます。
:フラップの断面に凹凸がなく、きれいである
・・・フラップを、元の場所に戻したときに安定性があります。
:均一の厚みになる
・・・イントラレーシック手術後の視力の向上と、はっきりしたクリアな
視界が期待できます。
一方、従来のレーシック手術で使う、マイクロケラトームで作ったフラップは、 次のような問題点があります。
:医師が機器を操作するために、厚みは0.15ミリ程度が限界で均一ではない
・・・強度の近視の方や角膜が薄い方は、手術できない可能性が
あります。 (最新のレーシックでは、約0.09ミリのフラップも可能)
:フラップの断面に凹凸ができやすい
・・・フラップを元に戻したときに、少し不安定で、視力向上やクリアな
視界は、イントラレーシックほど期待できません。
イントラレーシックとレーシックの違い
イントラレーシックと従来のレーシックを比べてみると、イントラレーシックの方がフラップの作り方や、 手術後の視力の向上などから、優れた手術方法に思えます。
特に、強度の近視・乱視や、今まで手術できなかった方には、朗報といえますね。
しかしイントラレーシックは、つい最近広まってきた方法で、まだまだ手術例が少ないのが現状です。 手術してから時間が経過したときの、安全性がまだ十分確認されていません。
一方、従来のレーシックは、フラップの精度や医師の技量の問題点がありますが、 10数年の実績と多くの手術例があり、今まで行なわれたレーシック手術において、失明の事例は1件もありません。
このように、イントラレーシックは、最新の技術で将来性のある手術方法といえますが、実積がまだ不足しているといえます。
それに対して、レーシックは技術こそ最新ではありませんが、今までの実績から、信頼性が高い手術といえるでしょう。
視力の矯正手術をお考えの方は、クリニックや手術を受けた体験者から実際に話を聞いて、 それぞれのメリットとデメリットをよく確認された上で、判断されるのがよいでしょう。
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