レーシック>イントラレーシック


イントラレーシックは、従来のレーシックとほぼ同じような、視力矯正手術ですが、 それよりも一歩進んだ方法といえます。

それはイントラレーシックだと、今まで不可能だった、強度の近視の方や角膜が薄いために、 手術できなかった方にも、効果がある手術方法だからです。

イントラレーシックとは

イントラレーシックでは、フラップを作るときに「イントラレーザー」 と呼ばれるレーザー光を使います。このイントラレーザーは、米国で開発された機器で、フラップを均一できれいに作ることができます。

このイントラレーザーでは、特殊レンズを通したレーザー光を角膜に照射することによって、 角膜に直接触れないでフラップを作ることができます。

また、イントラレーザーは、コンピューター制御されていて、従来のレーシックの問題点であった、 フラップの断面のでこぼこや、医師の技量不足の不安などが解消されます。 最近の米国では、このイントラレーシックが行なわれるケースが、多くなっています。

一方、従来のレーシックではフラップを作るのに、マイクロケラトーム(超小型の金属刃)が使われています。 この金属刃で、角膜の表面を直接切って、フラップを作っています。

この方法は、医師がマイクロケラトームを手で操作しながら、手術を行なうためフラップの作成には、 限度があります。また、医師の技量によってもフラップの出来に、ばらつきがでてくることもあります。

例えば、フラップの断面に、微妙な凹凸ができたり、まれにシワになったりすることがあります。

このようにイントラレーシックは、従来のレーシックよりも精度の高いフラップを、作ることができる手術といえます。

ページトップへ

イントラレーシックのメリット

イントラレーシックは、従来のレーシックと比べると、次のようなメリットがあります。

フラップの形

イントラレーザーで作られた、フラップのエッジ部分が角膜に対して、垂直に作られるため、 フラップを元に戻すときにも、ぴったり収めることができます。
(ちょうどゴム栓のオスとメスのような関係です。)

フラップの厚み

従来のレーシックよりも、2/3ぐらい薄いフラップを作ることができます。これによって、 強度の近視の方や角膜が薄いために、レーシック手術ができなかった方も、 イントラレーシックで視力矯正が可能になりました。

ちなみに、従来のレーシックのフラップの厚みは、約0.15〜0.18ミリ程度で、イントラレーシックでは約0.09〜0.10ミリ程度です。
(最新のレーシック機器では、約0.09ミリのフラップも可能です。)

医師の技量

イントラレーザーは、コンピューター制御によってフラップを作りますので、担当した医師の技量のレベルが、 それほど大きな問題になることはありません。
(もちろん、従来のレーシックでも、熟練の医師が行なう手術であれば、十分信頼できるレベルといえます。)

視力の回復

イントラレーシックでは、フラップが薄く均一な厚さで、なおかつ断面が滑らかに作られるため、 レーシックよりも視力の向上が期待できます。

従来のレーシックでは、だいたい視力1.0までの向上が一般的ですが、 イントラレーシックでは視力1.2〜1.5、まれに2.0になる方もいます。
もちろん、個人差や手術を受けたクリニックにより、違いはあります。

*ご注意
イントラレーシックは、まだ手術例が少ないため、上記の内容は、各クリニックの統計や学者の研究結果とは、異なる場合があります。

ページトップへ

イントラレーシックのデメリット

イントラレーシックは、メリットも多いのですが、逆にいくつかのデメリットも指摘されています。

将来の信頼性

イントラレーシックは、つい最近、普及し始めた手術方法で、まだ手術例が少ないのが現状です。 手術してから長時間たったときの、安全性や信頼性がまだ十分確認されていないといえます。

手術できるクリニックが少ない

イントラレーシックで使われているイントラレーザーは、米国で開発された最新の機器で高価なため、 これを設置しているクリニックは、まだ多くありません。現状では、有名なクリニックのみで、日本の主要都市に限られています。

フラップの作成と回復期間

コンピューター制御でフラップを作るため、手術時間が少し長くなります。
また、イントラレーザーによって、フラップがとても滑らかに作られるため、 フラップと角膜が一体になり固定されるまで、従来のレーシックよりも時間がかかる傾向があります。

このため、イントラレーシックの手術後の運動やスポーツは、医師の了解がでるまでは必ず中止することと、定期検査を受けて、 回復の程度をしっかりチェックしてもらう、必要があります。

合併症

従来のレーシックと同じように、ハロ現象、グレア現象、ドライアイなどの合併症があります。 詳しくは、レーシック合併症をご覧ください。

また、層間角膜炎(DLK)を発症するケースもあります。
この層間角膜炎とは、フラップと角膜実質層の間に炎症が起こることで、イントラレーシックの手術後1日〜1週間で、 症状がでてくることがあります。

ただ、ほとんどの方は、点眼薬や内服薬で改善されますので、特に問題になる症状ではありません。 ただ、まれに悪化することもあり、その場合はフラップの下をきれいに洗浄する必要があります。

ページトップへ



次ページ→ イントラレーシック手術